認知行動療法の基本その1。ストレスと上手くつき合うため、自分にコントロール可能な「認知」と「行動」に焦点を当て対処する。

こんにちは。

いきなりなんですが、僕はウツになってよかったことがいくつもあります。

そのうち一つに自分の思考のクセとそれが与える影響に気づいたということがあります。

そして、それに気づいたのは、ウツで休職した時に通った復職支援施設で認知行動療法を教えてもらったからです。

おかげさまで、ずいぶんストレスとの付き合い方が上手くなったよ!と自画自賛しております。

(ちなみに、教えてもらったのは、↓のリワーク。とてもおすすめです)

昨日↓の記事でスキーマ療法(認知行動療法が進化して作られたもの)を進めていくと書きました。

スキーマ療法を学ぶ目的「自分の価値観や生き方を振り返り、自分を理解し、受け入れて、もっと仲良く大切にしたい!」

今使用しているテキストでは、本格的にワークを進めるまえに、認知行動療法でセルフケアのレベルアップをしてもらうという構成になっています。

(過去の生きづらさの体験を振り返るので、しんどくなるから)

というわけで、復習がてらに今日は認知行動療法について基本をまとめてみます。

ストレスの対処方法や認知行動療法について知りたいという方、よろしければ見てみてください。

認知行動療法とは

とりあえず、ストレスとつきあう時にとっても役に立つ手法です。

 認知行動療法を理解し、身につけることで、ストレスとのつき合い方が上手になり、ひいてはセルフケア=自分助けが今よりもさらに上手になることができます。

認知行動療法は、ストレスとつき合うために有効な手法であることが科学的・実証的にも示されており、現在、世界中で広く用いられています。

p36

自分でできるスキーマ療法ワークブック Book 1 生きづらさを理解し、こころの回復力を取り戻そう

ストレスとは

では、そもそもストレスっていったい何でしょう?

自分でできるスキーマ療法ワークブック Book 1 生きづらさを理解し、こころの回復力を取り戻そうによると、ストレスとは、「ストレッサー(ストレス状況)」と「ストレス反応」に分けることができます。

ストレッサーとは、ストレスを与えてくる環境的要因のこと。

(部屋が暑かったり、仕事の締め切りだったり、ブログの書くことが決まらないことだったり)

ストレス反応とは、「ストレッサー」に対して精神と身体に起きる色んな反応のことです。

(ひや汗が出る、お腹がいたくなる、眠れない、涙が出る、さびしくてたまらないなど)

名前は知らなくとも、日常的に馴染みのあるモノなんじゃないでしょうか?

ちなみに、ストレッサーとストレス反応を合わせてストレス体験というそうです。

ストレスコーピングとは

そんなストレス体験、どうにかしたいですよね。

どうにかしようと行う「ストレス体験に対する意図的な対処のプロセス」をストレスコーピング(もしくはコーピング)といいます。

ちなみに、ストレスコーピングって具体的にどんなこと?って思われた方は↓をどうぞ。

ストレスコーピングレパートリー(所要時間別)

ストレスは誰にでもありますよね。

この本では「重要なのは、ストレスを自覚・理解したうえで、それに対してコーピングを行い、自分で自分を助けようとし続けること」と言っています。

確かに。

ストレスを自覚していないと、気づかず倒れるということもありうるし、理解しないと、有効な対処は難しそうです。

では、どうやって自覚し理解するか?

そんなときに助けとなるのが、次の視点です。

認知行動療法の基本モデル

それは、ストレス反応を「認知」「気分・感情」「身体反応」「行動」の4つに分けてとらえることです。

認知行動療法では、個人のストレス反応をその4つに分けて考えます。

そして、図のような「環境」⇔「認知」「気分・感情」「身体反応」「行動」の関係を基本としています。(ちなみに、それらはお互いに影響を与えあっています)

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p41

自分でできるスキーマ療法ワークブック Book 1 生きづらさを理解し、こころの回復力を取り戻そう

簡単にそれぞれの項目を説明すると、

「認知」とは頭に浮かぶ考えやイメージのことです。

心の中のセリフみたいなものですね。

例えば、黄色信号をみたときにどう思いますか?

「やばい、急がなきゃ」「遅刻する」「ゆっくりいこう」など人それぞれ浮かんでくると思います。

それが認知です。

「気分・感情」とはこころに浮かぶ様々な気持ちのことです。

認知と違って、単語で表せることが多い気がします。

たとえば、嬉しい、ウキウキ、悲しい、困惑、緊張、落胆、さみしい、などなど。

「身体反応」とは体に現れるさまざまな生理的現象のことです。

ドキドキする、めまいがする、胃が痛い、汗をかく、眠れない、などなど。

「行動」とは外からみてわかるその人の動作、振る舞いのことです。

寝る、目を閉じる、深呼吸する、相手をにらむ、質問する、などなど。

客観的にわかることだと思います。

なぜ「認知」「行動」療法なの?

認知行動療法は、その名のとおり「認知」と「行動」に焦点を当てています。

上の図の中で、「環境」「認知」「気分・感情」「身体反応」「行動」とありますが、なぜ「認知」と「行動」なんでしょうか?

実はこれらの5つのうち、先に示した「コーピング(意図的な対処)可能なのが、「認知」と「行動」だからです。

私たちは「環境」「気分・感情」「身体反応」の3つは好きなように変えることはできません。

これら3つは直接コントロールすることができないのです。

それに比べて、認知と行動は、自動的に出てくることもありますが、自分で生み出したり工夫したり選んだりすることができます。

私たちは、ストレスとなる体験をしたときに、認知と行動を工夫したり対処すること(=コーピング)によって自分を上手に助けることができるよになります。

「認知行動療法」という言葉には、そういう意味がこめられています。

p41

自分でできるスキーマ療法ワークブック Book 1 生きづらさを理解し、こころの回復力を取り戻そう

ふむふむ。

コントロール可能なんですね。

なんだか、できそうですね!

ながくなってしまったので、今日はここまでです。

僕が面白いと思う認知のクセについて話せてません。。。

いつか、またまとめたいと思います。

認知行動療法のおかげで気付いたこと

僕が認知行動療法のおかげで気付いたことをまとめたいと思います。

ちょっと長くなるし個人的なことなので、飛ばして次の章にいってくださってかまいません。

僕は、昔から小さな失敗(とすらいえないささいなこと)でも、悲しさ、落胆、罪悪感、無力感など苦しさを感じていました。

(今もありますけれど、かなりマシになってます)

でも、その苦しさを生み出しているのは自分の考えで、

(たとえば、ちょっとしたミスを「また失敗した。次もどうせ上手くいかない。自分はダメ」と考えると、とっても悲しくなる)

そして、その考え方自体にクセがあって、あまり現実的ではない極端な捉え方をしていることがある。

(前の例だと、悲観的になったり、自分を過小評価したりするクセがある。なぜなら、一度失敗したからといって、次も失敗するとは限らない。それに失敗したからといって、自分がダメというわけでもない。)

でも、その現実にそぐわない考えによって、望ましくない行動をしてしまい、環境も悪化するという悪循環が起きている。

(どうせダメ→悲しくなる→やる気落ちる→行動しない→失敗→やっぱり自分はダメという悪循環)

だから、まずはその悪循環に気づいてストップさせよう。

そのために、変えることが可能な「考え方(認知)」と「行動」を変えよう。

それを教えてくれたのが、認知行動療法です。

自分では気づかなかった思考のクセが(一部は気づいていた)、問題を生み出している。

そのことに、妙に納得できました。

そして、効果のでている対処も教えてくれるということで、「自分がやりたかったのはこれだ!」と思ったのを覚えています。

(ちなみに、よくやる「よかった探し」ですが、僕の中ではまずよかった探しをして気分を回復させます。それでもモヤモヤしていたり、じっくり取り組みたければ、認知行動療法の手法を行うようにしています。)

認知行動療法を学ぶ時の注意

まずは、無理しないこと。

辛い感情を振り返ることになるので、少なからずダメージを受けます。

そんな時は無理せずやめてください。

できれば、専門家と一緒に進めるのが一番だと思います。

自分の感情や考えを否定しないでください。

どんな感情や考え方も、役にたっています。

たとえば、不安があるおかげで、無茶な行動が減って安全になっていることもあります。

だから、認めたくないような感情や考えもまずは否定せず優しく観察してみてください。

おススメの本・サイト

もう少し詳しくしりたいなという方のために、実際に読んで参考になった本などをあげておきます。

人によって合うあわないがありますので、色々見て選んで見て下さい。

その時の参考になれば幸いです。

せっかく読むなら行動した方がお得だと思うので、やりやすい、やりたくなる本を選んでみてくださいね。

読みやすいのはやっぱりマンガ

まず、読んだのが↓のマンガです。

ウツで休職中、復職支援施設で読みました。

仕事で悩む主人公が認知行動療法を試してみると、、、

ストーリーがあって読みやすかったです。

マンガでわかりやすい うつ病の認知行動療法―こころの力を活用する7つのステップ

マンガでわかりやすい うつ病の認知行動療法―こころの力を活用する7つのステップ

コンパクトにまとまっているのがいい

次に読んだのがこちら。

↑のマンガ の監修者さんの本ということで読みました。

薄くて、簡単に書かれていて、分かりやすかったです。

それでいて、内容もギュッと詰まっている。

こころが晴れるノート:うつと不安の認知療法自習帳

こころが晴れるノート:うつと不安の認知療法自習帳

思考のクセ(認知のゆがみ)に親しみを持ちたい

面白いのを探していて、読んだのがこちら。

マイナス思考と上手につきあう 認知療法トレーニング・ブック──心の柔軟体操でつらい気持ちと折り合う力をつける

マイナス思考と上手につきあう 認知療法トレーニング・ブック──心の柔軟体操でつらい気持ちと折り合う力をつける

認知行動療法の説明自体はどうだったか覚えていません。

が、印象強く印象にのこっていることがあります。

それは、思考のクセ(認知の歪み)をキャラクターにしてしまっていること。

新鮮でした。

白黒思考をシロクロン、べき思考をベッキーとか。

https://blog-001.west.edge.storage-yahoo.jp/res/blog-48-07/yamamo0528dai/folder/1677404/69/57170469/img_0_m?1444824226

出典:私の頭の中のユガミン ( メンタルヘルス ) – 母はうつうつ 〜うつ病10年生の作業療法室〜 – Yahoo!ブログ

「白黒思考が強くなっている」より、「あ、今シロクロンが来た。こんにちは!」 ってやる方が楽しいなって、目からウロコでした。

当時の僕は、白黒思考などがあること自体を責めてしまう傾向がありました。

(実際は、白黒思考なども役に立っている。)

ですが、この本のおかげで、少し認めることができたと思います。

テクニックを知りたい人に

僕にとって必要なテクニックが色々紹介されていたのは、こちらの本です。

図解 やさしくわかる認知行動療法

図解 やさしくわかる認知行動療法

↓の記事にもあるような「先延ばし対策」みたいなワークがありました。

先延ばし対策にメリットデメリット比較表をつくってみたら、やらなきゃ損!という気持ちになった。

ケアする人にはこれ

最近読んで面白かったのがこちらの本。

将来的には僕も支援する側になりたいと思っていたからか、実例がリアルで読み物としても面白かったです。

説明もとてもわかりやすいです。

今のところ僕に一番合うのがこの方の本です。

ケアする人も楽になる 認知行動療法入門 BOOK1

ケアする人も楽になる 認知行動療法入門 BOOK1

動画で学びたい人にはこのサイト、なんと無料!!

前述した本(こころが晴れるノート:うつと不安の認知療法自習帳)の著者の動画が見れます。

かなり詳細なものを、無料で!!

40本くらいあります。

太っ腹です!!

うろ覚えですが、↓のような説明など分かりやすかったです。

マイナス思考は悪いものではない。

「コップに水が半分しかない」と考えるマイナス思考。

よくないもののように思われるけれど、それは状況による。

沙漠で水がないときに「コップに水が半分もある」と行動したら大変なことになる。

認知行動療法という名前自体、なんだか抵抗があるという方に

認知行動療法って、名前からしてなんだか重いですよね。

僕も最初は抵抗がありました。

そんな大げさなことじゃないって。

そんな人におススメしたいのが、陽転思考です。

「ネガティブOK」「事実はひとつ、考え方はふたつ」基本としています。

そして、ネガティブなこと(考え)を受け入れ、それについてよかったことを探し(いわば幸せになる認知を選ぶ)、気分を切り替え、行動する方法が書いています。

僕はこれを続けることで、マイナス思考や悲観的な考え方のクセがかわっていってます。

(044)失敗してよかった! (ポプラ新書)

(044)失敗してよかった! (ポプラ新書)

まとめ

ながくなってしまいましたが、まとめです。

  • 認知行動療法は、ストレスとの上手いつきあい方を教えてくれる。効果も科学的・実証的に認められている。
  • 認知行動療法では、ストレス体験を「環境」「認知」「気持ち・感情」「身体反応」「行動」に分けて考える。
  • そのうち、コントロールが可能な「認知」と「行動」に焦点をあて、工夫をし対処する。だから、認知行動療法。

これから新年度となり、新しい生活がはじまります。

それについて、ストレスを感じている方もいらっしゃるかもしれません。

というか、現時点で、年度末に追われストレスを感じている方もいらっしゃるでしょう。

そんな人は、なかなか認知行動療法に取り組む時間を確保できないと思います。

なので、1つだけ覚えて欲しいことがあります。

それは、認知行動療法があるということです。

何かあっても(僕の場合はウツになっても)認知行動療法を試してみたら楽になります。

だから、大丈夫。

それを知っているだけで、少しは楽になるのではないでしょうか?

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